実践ブラッシュアップ講座「知る・楽しむ歌舞伎」が開講されました

本年度の実戦ブラッシュアップ講座の新コースとして、6月12日歌舞伎座タワー5階の木挽町ホールにて、「知る・楽しむ歌舞伎」が開催されました。

歌舞伎講座開講

講師をお引き受けくださった松竹株式会社常務取締役 岡崎哲也氏は、幼少の頃から50年以上にわたって歌舞伎に接してこられた、まさに“歌舞伎の達人”です。

3歳から20年間は観客として様々な演目に親しみ、また松竹株式会社入社後は、制作の立場から30年以上にわたって歌舞伎の普及にかかわってこられました。

講話前半は歌舞伎400年の歴史と変遷について、今に残る当時の写真などを交え、まるでその時代を生きてこられたかのような詳細かつ楽しい話術で解説してくださいました。

出雲の阿国という類まれな表現力をもつ女性から始まった歌舞伎が、その後、いかに民衆の心を掴んでいったかについて、歴史的というよりは大衆史の視点でのお話が非常に興味深く、伝統を守りながら常に新しいものに挑戦し続けている歌舞伎と歌舞伎役者の本質についてコンパクトにそしてわかりやすくお話し下さいました。

009 岡崎氏.jpg

講和の後は、会場となった「歌舞伎座ギャラリー」の展示品を岡崎氏の解説のものに一つひとつ拝見しました。

舞台に登場する馬や猪の道具や擬音の出し方、また役者の衣装の絢爛豪華な設えなどについて、裏方からのお話を伺うことで、歌舞伎の舞台を運営することがいかに大変であるかについてわかりました。

017 - 馬の説明.JPG

011小道具の説明04

実際にギャラリーの現在の展示は「体験空間、歌舞伎にタッチ しる・みる・ふれる・やってみる」という体験型企画になっています。

歌舞伎にお出掛の折は、ぜひ、立ち寄られるとよいでしょう。

015小道具体験01

さらに後半は、岡崎氏が大変力を入れてこられた海外公演のお話に続きました。

これまで1987年のソヴィエト公演以来、フランス、イタリア、アメリカ、韓国、ギリス、ドイツ、ルーマニア、中国など多くの公演のプロデュースをされてきた岡崎氏ならではのご苦労や、裏話、そして秘蔵のお写真の数々をご披露くださいました。

諸外国でどのように歌舞伎が受け入れられ、評価されてきたか。また国や民族によっても楽しみ方が違う点など、一般には知り得ない興味深いお話を伺いました。

今や歌舞伎は、外国人の関心も高く、まさに世界に誇る日本の伝統文化となりました。岡崎氏のお話を伺うことで、日本人としてさらに歌舞伎について鑑賞し、また楽しみたいと思った一時となりました。

さて、翌日は「楽しむ歌舞伎」の日。6月公演昼の部を鑑賞。3階前列は、歌舞伎座全体を見渡せる席で、“新装”歌舞伎座を楽しむ事が出来ました。

“歌舞伎を初めて観た”、または“久しぶり”という受講生も多く、幕間のお食事やお土産のお買い物なども含めて皆さん歌舞伎座での一日を満喫されたようです。

02200

受講者の方々のアンケートから

・廻り舞台が日本の誇らしき発明であったと聞いて驚いたが、実際に翌日その舞台を見て規模の大きさに驚いた

・海外公演では、国によって感動する部分が違うのが興味深かった。
アメリカ人はイヤホンガイドを楽しむが、フランス人やイタリア人は音を大切にするのでイヤホンを使いたがらないなど

・ただ鑑賞するだけではわからない歌舞伎の奥の深さも同時に感じる事が出来た

・岡崎氏の歌舞伎への熱い想いが伝わった特に歌右衛門への深い尊敬、畏敬の念を感じた

・講話はあっという間の2時間で、歴史ばかりでなく海外でいかに歌舞伎が高く評価されているかを知って、日本人として誇らしい気持ちになった

等々・・・

岡崎氏の講話に魅了された講座となり、続編を期待する声も多く聞かれました。

 

 

 

 

 

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